
1. プラセンタ注射とは
ヒト胎盤から抽出したアミノ酸・ペプチド・成長因子などを含む注射薬です。細胞修復や血流改善、ホルモンバランス調整作用が報告され、美容・疲労回復・更年期症状緩和などを目的に自由診療で用いられることが多いものです。
2. 取扱い製剤と特長
製剤 | 保険適応 | 期待される主な作用* | pH / 添加物 | 注射時の印象 | ひとことメモ |
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ラエンネック® | 慢性肝疾患の肝機能改善 | 肝酵素(AST/ALT)低下、疲労感軽減|美容効果は限定的 | pH 5.5–6.5/ペプシン・乳糖 | やや刺激を感じる方も | “肝臓ケア寄り” |
メルスモン® | 更年期障害・乳汁分泌不全 | ホットフラッシュ・発汗・睡眠質向上|美容効果は限定的 | pH 6.8–7.0/ベンジルアルコール 0.03 mL | 刺激が少なめ・赤みが出やすい傾向 | “更年期ケア寄り” |
*自由診療での美容・抗疲労目的は適応外使用となります。
3. 治療スケジュール例
期間 | 投与量/回 | 目安頻度 | 経路 | 所要時間 |
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導入期(4週間) | 1-2A(2-4 mL) | 週1-2回 | 皮下注(腹部・上腕など) | 即時 |
維持期 | 1-2A | 2-4週ごと | 同上 | ― |
混注はせず、同日に両製剤を使う場合は左右で分けて投与します。
※点滴をご希望の場合は生食100 mLに2-4Aを希釈し、20-30分かけて行います (現在は行っておりません。
4. 期待できる効果(感じ方には個人差)
くすみ・乾燥の軽減、ハリ・ツヤ向上
更年期症状(ほてり・睡眠の質低下など)の緩和
肝機能サポート、疲労回復
抗炎症作用・血流改善など
5. リスク・副作用
注射部位の痛み・発赤・硬結・内出血
発熱・寒気・倦怠感、発疹などの過敏反応
ごく稀にアナフィラキシー(ショック)
ヒト胎盤由来のため理論上未知ウイルスの感染リスクを完全には否定できず、一度でも投与を受けた方は献血ができません。
※ 症状が強い場合は速やかにご連絡ください。
6. 禁忌・慎重投与
1. アクセス情報について
有効成分/胎盤製剤に対するアレルギー
妊娠・授乳中
重篤な心・腎・肝機能障害、発熱性疾患
ベンジルアルコール過敏症(メルスモン)
悪性腫瘍治療中、自己免疫疾患急性期など
7. 費用(自由診療・税込)
製剤 | 1A | 2A | 3A | 備考 |
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メルスモン ラエンネックともに | 1,500円 | ¥2,000 | 一度の皮下注射では× | 診察料1,000円 |
両腕に両方2Aずつの場合は4,000円となります(+診察料1,000円=合計5,000円。
8. よくあるご質問
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何回目から効果を感じますか?
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早い方で1-2回、平均して4-6回目以降と言われますが個人差が大きいです。半年~1年継続して効果がない場合は中止がお勧めはされています。
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献血が一生できなくなるのですか?
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はい。現状日本赤十字社規定で、プラセンタ製剤投与歴がある方は終生献血不可です。
ただ将来的に基準が変わる可能性はあります。
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注射後は揉んだほうが良いですか?
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意見が分かれているところです。
硬結予防で揉んだほうが良いという意見と(硬結も1~2日でほとんど消失しますが)、
内出血を助長するので揉まないほうが良いという意見で分かれています。今はどちらかというと揉まないほうが良いのではという意見が多い印象です。
9. 施術の流れ
初回カウンセリング – 期待効果とリスク説明・アレルギー確認
同意書にサイン – 自由診療インフォームドコンセント。気になることがあれば、ここで質問してください。
注射/点滴 – 30G針使用、所要数分。点滴の場合は20〜30分ほどゆったり座っていただきます。現在は注射のみの取り扱いになります。
アフターケア – 注射部位を軽く圧迫して内出血予防。初回の場合は院内で20分ほどアレルギーがでないか確認のためにゆっくりされることを推奨しています。
免責・注意
本ページは医療広告ガイドラインに基づき、一般的情報を提供するものです。治療の最終判断は診察により医師が行います。